「次こそ、自分に合う職場を見つけたい」
転職を考えるとき、たいていの人はそう思いますよね。
職場の雰囲気が合うかどうか、人間関係はどうか、理念に共感できるか——
転職サイトを眺めながら、求人票の行間を読もうとする。
でも、私は思うんです。
その探し方、ちょっと待ってくれと。
介護の世界に20年いて、3回の転職を経験して、今は複数の事業所を統括する管理者になった。
採用担当として何百人もの面接をしてきた。
その経験から言わせてもらうと——
「自分に合う職場を探し続けるのは、時間の無駄かもしれない」
これ、暴論に聞こえますか?
でも、最後まで読んでもらえたら、少し見え方が変わると思います。
「最悪な職場に来た」と思っていた私の話
正直に言います。
転職するたびに、私は「また来てしまった」と思っていました。
人間関係のこじれ、理念と現実のギャップ、上司との価値観の違い。
「こんなはずじゃなかった」という感覚は、転職1回目も、2回目も、3回目も、大して変わらなかった。
最初のうちは「前の職場が悪かった」と思っていました。
でも3回目になってさすがに気づくんです。
あ、これは職場の問題じゃなくて、私自身の問題かもしれないと。
どこに行っても理想と現実にはギャップがある。
どこに行っても、合わない人は必ず一人はいる。
どこに行っても、改善したいことが山ほど出てくる。
それが「普通の職場」というものなんだと、ようやく腑に落ちました。
「合う職場を探す」のをやめたら、何かが変わった
3回目の転職先で、私はやり方を変えました。
「ここが自分に合うかどうか」を考えるのをやめて、
「ここで自分は何ができるか」を考えるようにしたんです。
ブラックと言えばブラックな職場でした。
でも「結果を出せば、ちゃんと評価する」という言葉があった。
それだけを信じて、とことんやってみることにした。
介護の現場だけじゃなく、営業も広報も雑務も全部やった。
管理者を目指して、研修にも自己研鑽にも積極的に参加した。
「給料を上げてもらえる人材」になることを、意識して動き続けた。
合わせるんじゃなくて、変えてやろうという気持ちで動いた。
気づいたら、周りが少しずつ変わっていました。
自分の発言に耳を傾けてくれる人が増えた。
任される仕事が増えた。
結果が数字として見えてきた。
「自分に合う職場を見つける」より、「今いる職場で結果を出す」ほうが、
ずっと早く、ずっと確実にキャリアが開けていく。
それが私の結論です。
「他責」をやめると、仕事が変わる
介護現場で、愚痴を言わない人はほぼいません(笑)。
かく言う私も、散々言ってきました。
でも、愚痴を言っている間は何も変わらないんですよね。
上司が悪い、会社が悪い、制度が悪い——全部本当のことかもしれないけれど、
それを言い続けている限り、自分は「被害者」のままです。
私が転職を繰り返す中でたどり着いたのは、
「他責にせず、自分でやれることをやる。折り合いは自分でつける」
という考え方でした。
これ、しんどいですよ。
正直、最初は損した気分になる。
「なんで私がそこまでやらなあかんねん」って思う。
でも、続けていくと不思議なことが起きます。
周りが黙り始める。文句が言えなくなる。
結果を出している人間に、面と向かってケチをつける人はそう多くない。
数字と結果が、最強の盾になる。
人間関係で悩んでいる介護職の方に伝えたいのは、
「環境を変える前に、環境を変えようとしてみたか」ということです。
それでも転職するなら、「目的」を持って動く
ここまで読んで、「じゃあ転職するな、ということか」と思った方もいるかもしれません。
違います。
転職は、有効な選択肢のひとつです。
ただ、「合う職場を探す旅」として転職を使うのは、あまり効率的じゃないと言いたいんです。
転職で状況が変わる人には、共通点があります。
それは、転職先に「自分が何をやりたいか」が明確にあるということ。
たとえば——
- 管理職を目指したいが、今の職場では道が閉ざされている
- 特定の専門スキルを伸ばせる環境が必要
- 給与の上限がどう考えても低すぎる
こういう「目的のある転職」は、ちゃんと機能します。
一方で、「今の職場が嫌だから」だけで動く転職は、高確率で同じ問題を新しい職場で繰り返す。
私がそれを身をもって経験しました(笑)。
転職を考えているなら、まず「この転職で、何を手に入れたいか」を一言で言えるかどうか確認してみてください。
→ 転職の手段として転職サイトを活用するなら、こちらの記事も参考にしてみてください。
【2025年版】介護職こそ転職サイトを使うべき理由とおすすめ6選
「伸びる介護職」に共通する、たった一つのこと
採用担当として何百人も面接してきた中で、
「この人は伸びる」と感じる人には、ある共通点がありました。
資格の多さでも、経験年数でも、コミュニケーション能力でもありません。
視座が高い、ということです。
今の目の前の不満ではなく、1年後・3年後・5年後に何者でありたいかを話せる人。
利用者さんや職場のことだけでなく、介護業界全体や社会との接点を意識している人。
「今、ここで自分が何をすべきか」を、自分の言葉で語れる人。
そういう人は、どの職場に行っても伸びていく。
逆に言えば、職場選びより先に「自分のビジョン」を持つことのほうが、ずっと大切だということです。
→ 介護職のキャリアをどう設計するか、具体的な選択肢を整理したこちらの記事もあわせてどうぞ。
介護職のキャリアアップ、どこを目指す?──迷った私の答えと選択肢
私が今も「現在進行形」でいる理由
50歳になった今も、私は挑戦を続けています。
社労士試験の4回目に挑戦中。
5年後の独立開業を目標に、毎日コツコツ積み上げている。
副業でブログも書いている。
「もうベテランなんだから、安定していればいいじゃないか」
そう言われることもあります。
でも、私はそれが一番怖い。
学ぶことや挑戦することから逃げない。
それが、20年前に出会った先輩から受け取った、一番大切なものだと思っているから。
介護職でゆとりのある生活を送ることは、可能です。
ただそれは「合う職場に出会えた人」ではなく、
「どの職場でも自分を変え続けてきた人」が手にするものだと、私は思っています。
→ 収入面での突破口について、リアルな話を書いています。あわせてどうぞ。
まとめ:「合う職場」より「変える自分」を育てよう
最後に、まとめます。
- 「自分に合う職場」を探し続けるより、今いる職場で結果を出すほうが早くキャリアが開ける
- 他責をやめて、自分でやれることをやり切ることが、最強の武器になる
- 転職するなら「目的のある転職」。「逃げの転職」は同じ問題を繰り返す
- 「伸びる介護職」は、視座が高い。目の前より、先を見ている
- どの職場に行っても通用する「自分」を育てることが、本当の意味での職場選びより価値がある
「いい職場に出会えたから、うまくいった」
そんな話より、
「どこに行っても、自分で切り開いてきた」
という話のほうが、ずっとカッコいいと思いませんか。
あなたの働き方が、少し前に進むヒントになれば嬉しいです。
執筆:てるよし@ケアマネしてない社労士受験中
介護歴20年/施設の労務担当&副業ブロガー。
「働き方は変えられる」をテーマに、介護の現場とこれからを語ります。
よくある質問(FAQ)
Q. 職場が本当にひどい場合でも、まず変えようとすべきですか?
A. ハラスメントや法令違反がある場合は別です。そこは無理して変えようとせず、早めに動いてください。ここで言っているのは「なんとなく合わない」「雰囲気が違う」という感覚の話です。そのレベルなら、まず自分が動いてみることをおすすめします。
Q. 転職3回というのは、介護業界では多いですか?
A. 採用担当の視点から言うと、回数より「なぜ転職したか」と「そこで何をしたか」のほうが重要です。転職回数が多くても、各職場で結果を出してきた人は、面接でしっかり説明できます。数より中身です。
