50歳になって思う、介護職の“これからの働き方”──現場だけじゃない道もある

「50歳を前に、このままでいいのか?」と思ったあなたへ

  • 夜勤がきつくなってきた
  • 体力が昔のように回復しない
  • ずっと現場で頑張ってきたけど、この先も同じ働き方でいいのだろうか?
  • 副業やキャリアチェンジも気になるけど、何から始めればいいか分からない

私自身、50代に入り、まさにそんな思いを抱えました。だからこそ、同じように悩んでいるあなたに、今の働き方をどう捉え直したのか、私の経験をお話ししたいと思います。

夜勤がつらくなったら、それは“変化のサイン”

私は30代の頃、夜勤明けにそのまま日勤に入っても平気でした。けれど50歳を前に、正直もう無理だなと思うことが増えてきました。現場の仕事が“体にこたえる”という感覚は、年齢とともにリアルになってきます。

それでも、介護の仕事そのものは好きでした。だから私は、自分の体力と気持ちのバランスを考え、現場を離れるのではなく、別の形で関わる道──“管理職”を目指しました。

もちろん、管理職には管理職の大変さがあります。人間関係の調整、スタッフの育成、数字の責任……負荷が軽くなるわけではありません。ただ、「自分が望んで進んだ道」であれば、踏ん張れるものです。

ちなみに、「管理職が正解」という話ではありません。現場を極めて後輩を育てている方や、長年同じポジションで信頼を積み重ねている方も、尊敬に値する介護職です。大切なのは、自分の働き方を“選んでいる”という実感です。

コロナ禍と、家族との時間が教えてくれたこと

転機はコロナ禍でした。プロジェクトから外され、時間ができ、これまでの自分を振り返る余白が生まれました。正直、腑抜けのようになってしまった時期もありました。

そんなとき、ふと始めたのが簿記の勉強です。それを見ていた娘が「お父さんが勉強してくれるから、私も頑張れる」と言ってくれて──その瞬間、涙が出そうになりました。

家族と向き合うこと、家で過ごす時間を大切にすること。それは、働き方そのものを見直す大きなきっかけになりました。

「未来の履歴書」を書いてみよう

「このままでいいのか」と自問するなかで、私は“未来の履歴書”という考え方に出会いました。過去を振り返るための履歴書ではなく、5年後の自分がどんな仕事をし、どんなスキルを持っていたいのかを書いてみる。

その未来像に近づくには、今なにを学ぶべきか、どんな経験を積むべきかが見えてきます。私の場合は、資格取得や副業というチャレンジでした。

「でも、勉強や副業なんて、自分には無理…」と思う人もいるかもしれません。実際、私もそうでした。フルタイム勤務に家のこと、時間もエネルギーもギリギリ。でも、寝る前の30分、朝の15分、それを毎日少しずつ積み重ねていくうちに、気づけば景色が変わっていたのです。

私が始めた“現場の外”の選択肢

私が取り組んできたのは、社会保険労務士の勉強や成年後見人制度への準備、研修講師の仕事、そしてこのブログなど。どれも一朝一夕ではありませんが、自分なりに「できることから始めよう」と思い立ち、少しずつ歩んできました。

  • 社会保険労務士の勉強: 介護現場を仕組みから支えたいという想いで、働く人の労務環境に関心を持つようになりました。
  • 成年後見人制度への準備: 社会福祉士としての専門性を活かし、将来の副業や地域貢献につなげたいと考えています。
  • 研修講師の仕事: 現場経験を、次の世代に伝える機会が少しずつ増えてきました。
  • このブログ: 自分の経験や迷いを誰かと共有したくて始めたら、少しずつ書くことが自分の支えにもなっています。

もしかすると、「現場が嫌になったから逃げたのでは?」と思う方もいるかもしれません。でも、私は現場が好きだからこそ、もっとよいケアができる環境を作りたくて、あえて“裏方”の道も選びました。働き方を変えることは、現場への責任を手放すことではなく、違う形で関わり続けるための選択でもあるのです。

変化を恐れず、選ぶ勇気を

キャリアには正解がありません。一つの道を極めてもいいし、横に広げてもいい。大事なのは、自分の意思で「これでいい」と思える働き方を選ぶことだと思います。

もし今、「何も変えられそうにない」と思っていても、それは当たり前です。私だってそうでした。ただ、今日の5分を未来の自分のために使う。その小さな一歩が、思った以上に大きな変化を生むことがあります。

そして、5年後の自分が「動いてよかった」と思える日がきっと来ます。

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