介護職が“資格”を活かすってどういうこと?──現場で終わらせない働き方


「資格って取る意味あるの?」──そんな気持ち、よくわかります。

「資格を取れば、給料も上がるし、もっと評価される」
そう思って、一生懸命勉強して資格を取ったのに──

  • 「あれ、何も変わらない…」
  • 「資格手当、こんなに少ないの?」
  • 「結局、現場の仕事ばっかり…」

そんな経験、私にもあります。

この記事では、介護の現場で20年以上働き、社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネ)を取得してきた私の実体験をもとに、
「資格って何のために取るのか?」
**「本当に現場で活かせるのか?」**という疑問に、正面からお答えします。


社会福祉士を取って、理想と現実のギャップに落ちた話

私が最初に取った資格は、社会福祉士でした。
まったくの異業種から福祉の世界に飛び込み、「資格を取れば、それなりの給与になって、仕事も安定する」と信じて勉強していました。

でも、実際に取得しても、想像していたような変化はなかったんです。

相談員の求人は少なく、未経験の私にはハードルが高かった。
「資格は取った。でも、このままじゃ評価されない」──そんなジレンマに直面しました。

そして一度、福祉の世界から退いた時期もありました。


介護福祉士を取っても、何も変わらなかった。でも、それが「無駄」とは思わなかった

その後、福祉の現場に戻り、デイサービスの相談員として再スタート。
この頃に取得したのが介護福祉士です。

正直、資格を取ったからといって、毎日の業務が劇的に変わったわけではありません。
「資格取っても、やることは一緒じゃん」──そう思ってしまう気持ちもわかります。

でも、視点を変えると、いろんな“変化の芽”があったんです。

  • 職場の加算取得に役立つ人材として評価された
  • 少額でも資格手当がついた
  • 資格取得の努力を認めてもらい、管理者や統括業務を任されるようになった

「評価されるのは、資格を取った“あと”にどう動くかなんだな」
そんなことを、少しずつ実感していきました。


反論1:「資格がなくても現場で信頼されてる人はいるじゃん」

その通りです。
無資格でも優秀で、現場の中心として働いている方はたくさんいます。

でも一方で、制度上の制約もあるのが現実。
資格がないと、加算要件を満たせなかったり、配置基準を満たせず異動や昇進に制限が出たりするケースも多いです。

つまりこういうことです:

現場力は必要。でも、資格があることで「できる仕事の幅」が広がる。

資格だけがすべてじゃない。でも、あった方が“選択肢”が増える。それが現実です。


ケアマネへのステップとしての資格取得

介護福祉士や社会福祉士といった国家資格は、ケアマネ(介護支援専門員)の受験資格になります。
これは、「現場から次のステージに進むための切符」のようなもの。

実際、私もこの流れでケアマネ資格を取り、地域とのつながりや制度への理解が一気に深まりました。

「相談業務に興味がある」
「もっと制度を知って、現場をよくしたい」
そう思うなら、資格取得は大きな武器になります。


反論2:「うちの職場、資格手当も出ないし意味ないよ」

……その気持ちも、よくわかります。

「評価されると思って取ったのに、何も変わらなかった」
これは、資格の価値がないのではなく、“評価されない場所”にいるだけかもしれません。

実際に、介護福祉士を取得したあとで、資格手当が高く設定されている法人に転職し、年収が上がった人を何人も見てきました。

今の職場で評価されないなら、それをチャンスに変える選択肢もある。
あなたの努力を活かせる場所、ちゃんとあります。


反論3:「時間もお金もない。勉強できる人だけでしょ?」

ここも、現場で働きながら強く感じるところです。
実際、家庭があったり、夜勤があったり、勉強時間なんて取れないよ…って人、多いですよね。

でも、全額自己負担じゃない方法もあります。

たとえば、社会福祉協議会が行っている奨学金制度では、資格取得のための支援を受けられるケースもあります。
(このあたりは、別記事でしっかりまとめてお伝えします)

また、私は「10分でもいいから勉強する習慣」をつけることから始めました。
最初はしんどかったけど、気づけば4~5年、毎日何かしら学ぶようになっていました。

「資格が欲しい」よりも、「学びたい」「変わりたい」って思うこと。
その気持ちが最初の一歩です。


「資格を活かしてる人」に共通すること

私が「この人、資格を活かしてるな」と感じる人には、共通点があります。

  • 専門職としての価値観がしっかりしている
  • 現場の経験をベースに、制度やチームの仕組みを理解している
  • 複数の資格を“組み合わせて”現場や管理に活かしている

たとえば、デイサービスの相談員をしながらケアマネ資格を持っている人。
ケアマネの立場を理解しているから、連携もスムーズで、施設の信用度もぐっと上がる。

資格は、信頼される人が持ってこそ“活きる”んです。


最後に──資格は「信頼の土台」であり、「未来を選べる力」

資格を取った瞬間に評価されるわけじゃない。
でも、資格を取ったということは、あなたが努力できる人である証です。

その努力は、確実にあなたの価値を高めてくれる。
そして、資格は「未来を自分で選ぶための力」になります。


\あなたも“資格で働き方を変える”一歩を/

評価されるのを待つのではなく、
資格を通じて「評価される人」になっていく。

それが、私の経験から得た答えです。


あとがき:これから資格取得を目指す方へ

・焦らず、できることから
・制度や支援を知る
・「評価される場所」を自分で探す

資格は「道具」です。
それをどう使うかで、あなたのキャリアは大きく変わります。

これからも、そんな働き方を一緒に考えていきましょう。

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