「ケアマネ、目指した方がいいですか?」
介護職のキャリア相談で、一番多い質問がこれです。
私の答えは、毎回同じです。
「目的によります。ただし、取って損はない」
私はケアマネジャーの資格を持っています。
そして、ケアマネとして現場で働いた経験もあります。
でも今は、管理者の道を選んでいます。
この経験から、「ケアマネを目指すべきか」について本音で話します。
ケアマネという資格の現実
まず、ケアマネジャーという資格の現実を整理します。
ケアマネジャーとは
介護支援専門員とも呼ばれ、要介護者のケアプランを作成し、各サービスを調整する専門職です。
介護福祉士・社会福祉士・看護師などの資格を持ち、5年以上の実務経験がある人が受験資格を得られます。
合格率は約20%前後
決して簡単な試験ではありません。
しかし、介護福祉士と比べると受験者層の経験値が高く、しっかり勉強すれば合格できる試験です。
給与への影響
ケアマネ資格を取っても、現場スタッフのままでは給与が大きく変わらないことが多い。
ケアマネとして働いてはじめて、手当・昇給につながります。
「ケアマネを目指すべき人」と「そうでない人」
結論から言います。
ケアマネを目指すべき人
① 現場の身体介護から離れたい人
ケアマネの仕事は基本的にデスクワーク・訪問・調整業務です。
体力的な限界を感じている40代・50代には、キャリアチェンジとして有効です。
② 相談援助・コーディネートが好きな人
利用者さんや家族との面談、多職種との調整——人と話すことが好きで、問題解決にやりがいを感じる人に向いています。
③ 独立・開業を視野に入れている人
居宅介護支援事業所を開設するにはケアマネ資格が必要です。
将来的に独立を考えているなら、早めに取得しておく価値があります。
④ 管理職・施設長を目指している人
施設長・管理者の求人で「ケアマネ資格必須」としているところは多いです。
マネジメント職を目指すなら、取っておいて損はありません。
ケアマネを急いで目指さなくていい人
① 現場のケアを極めたい人
認知症ケア・リハビリ・看取りなど、現場の専門スキルを深めたい人には、ケアマネより専門資格の方が合う場合があります。
② 「なんとなく次のステップ」で考えている人
「とりあえずケアマネ」という動機で取ると、取得後に「こんなはずじゃなかった」となりやすいです。
ケアマネの仕事内容を理解した上で目指してほしい。
私がケアマネをしない理由
少し個人的な話をします。
私はケアマネ資格を取った後、ケアマネとして働く選択をしませんでした。
理由はシンプルで、管理者・経営側で仕事をしたかったからです。
ケアマネの仕事はやりがいがある。それは間違いありません。
でも私がやりたいのは、施設全体を動かすこと、スタッフが働きやすい環境を作ること、経営的な視点で介護を変えていくことでした。
ケアマネ資格は、その道に進む上でも「持っておいた方がいい」資格だと思っています。
実際に管理者として、ケアマネの仕事を理解していることで、ケアマネスタッフとの連携がスムーズになりました。
資格は「その仕事をするため」だけに取るものではない。
これが、私がケアマネ資格に対して持っている考え方です。
→ 資格をキャリアにどう活かすか、詳しくはこちら。
介護職が”資格”を活かすってどういうこと?──現場で終わらせない働き方
ケアマネ試験、合格するために知っておくべきこと
ケアマネを目指すと決めたなら、試験対策について正直に話します。
受験資格の確認が最初
介護福祉士・社会福祉士・看護師などの国家資格を持ち、5年以上・900日以上の実務経験が必要です。
まず自分が受験資格を満たしているか確認してください。
勉強期間の目安は6ヶ月〜1年
仕事をしながらの勉強なら、6ヶ月〜1年の準備期間を見ておくのが現実的です。
合格率20%前後という数字に惑わされず、しっかり準備すれば合格できます。
過去問中心の勉強が有効
ケアマネ試験は出題傾向が比較的安定しています。
過去問を繰り返し解いて、出題パターンを把握することが合格への近道です。
勉強を習慣化すること
私自身、社労士試験の勉強を通じて感じるのは「毎日続けること」の重要性です。
1日1時間でも、毎日続ける人が最終的に合格します。
→ 勉強を続ける力について、詳しくはこちら。
介護職が「勉強し続ける人」と「しない人」で、10年後にどう差がつくか
ケアマネ取得後のキャリアパス
ケアマネ資格を取った後のキャリアは、大きく3つのルートがあります。
① 居宅ケアマネ
居宅介護支援事業所で、在宅の利用者さんのケアプランを担当します。
在宅介護の最前線で、利用者・家族・多職種と連携する仕事です。
② 施設ケアマネ
特養・老健などの施設に所属して、入所者のケアプランを担当します。
居宅ケアマネより移動が少なく、同じ利用者さんと長く関われるのが特徴です。
③ 管理職・施設長への道
ケアマネ資格を持ちながら管理職を目指すルートです。
私自身がこのルートを選びました。
どのルートが正解かは、あなたが「何をしたいか」によって変わります。
→ 介護職のキャリア全体を整理したい方はこちら。
介護職のキャリアアップ、どこを目指す?──迷った私の答えと選択肢
まとめ:ケアマネは「目的を持って目指す」資格
- ケアマネは取って損のない資格。でも「なんとなく」では取得後に迷う
- 体力的な転換・独立・管理職を目指すなら取得を強くおすすめ
- 現場を極めたい人には、他の専門資格の方が合う場合もある
- 資格は「その仕事をするため」だけでなく、キャリア全体の武器になる
- 合格率20%に惑わされず、毎日続ける勉強習慣があれば合格できる
「ケアマネを目指すべきか」——その答えは、あなたが「介護職としてどう生きたいか」の中にあります。
資格を取ることがゴールではなく、その先に何をしたいかを考えながら動いてほしいと思います。
あなたのキャリアが、納得できる方向に進むことを願っています。
執筆:てるよし@ケアマネしてない社労士受験中
介護歴20年/複数事業所を統括する管理職&副業ブロガー。
「働き方は変えられる」をテーマに、介護の現場とこれからを語ります。
よくある質問(FAQ)
Q. ケアマネ試験の受験料はいくらですか?
A. 都道府県によって異なりますが、おおむね12,000円前後です。受験する都道府県の公式情報を確認してください。
Q. ケアマネを取ると給与はどのくらい上がりますか?
A. 施設や職種によって異なります。ケアマネとして働く場合、現場スタッフより月2〜5万円程度高いケースが多いですが、施設によって差があります。資格手当のみで現場スタッフを続ける場合は数千円程度の加算が多いです。
Q. ケアマネ資格の更新はありますか?
A. あります。5年ごとに更新研修が必要です。更新研修には費用と時間がかかりますので、取得後も継続的な学習が必要です。