「扶養から外れないためには、あと何時間働ける?」調べてみたら、思ったより複雑でした

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※記載の内容は、社労士受験生である私が一次情報を調べてまとめた内容です。労務・税務の専門家による助言ではありません。制度は今も動いている最中なので、最新情報や実際の判断は、必ず国税庁・厚生労働省の公式情報、または税理士・社労士等の専門家にご確認ください。


パートさんから一番よく聞かれる質問、正直これです。

「扶養から外れないためには、あとどれくらい働けますか?」

103万、106万、130万、150万……ニュースでいろんな数字が飛び交っていて、「結局いくらまでなら大丈夫なんですか」と聞かれるたびに、こちらも一瞬固まります。しかも「それって税金の話ですか?社会保険の話ですか?」と聞き返すと、大抵の人は「え、違うんですか?」という顔をします。

正直に言います。私も社労士の勉強をしていて、この「壁」の話は毎年のように制度が変わっている印象があり、都度調べ直しています。今回、改めて調べてみて分かったことを、そのまま整理して書いてみます。


そもそも「壁」は1種類じゃないらしい

まず調べて分かったのが、「年収の壁」と呼ばれるものは、税金の壁社会保険の壁という、まったく別の2つの制度が混ざって語られている、ということです。ここを分けて考えるだけで、かなりスッキリしました。

税金の壁(所得税・住民税・配偶者控除)

調べた範囲では、以下のような数字になっているようです(2026年8月時点)。

  • 住民税:自治体によって差があるようですが、だいたい年収93万〜110万円あたりから課税が始まる自治体が多いようです
  • 所得税(本人):2026年分から、年収178万円までは本人の所得税がかからないようです(2025年分は160万円だったとのこと)
  • 配偶者控除・扶養控除:2026年分から、扶養されている側の年収が136万円以下なら、扶養している側(配偶者や親)の控除が使えるようです(2025年分は123万円だったようです)

税金の壁は、2025年から2026年にかけて、大きく引き上げられている最中のようです。「103万の壁」という言葉をよく聞きますが、調べた限りでは2024年分までの数字で、もう過去のものになっているようです。

社会保険の壁(扶養・加入義務)

  • 130万円の壁:配偶者の社会保険上の扶養から外れるラインです。2026年4月から、判定方法が「実際の年収」ではなく「労働契約書に書かれている見込み収入」ベースに変わったらしいです。一時的にシフトが増えて収入が上がっても、契約内容が変わらなければ、扶養から外れにくくなっている、という説明を見かけました。
  • 106万円の壁:パートでも社会保険への加入義務が発生するかどうかは、「106万円を超えたら即加入」という単純な話ではないようです。調べた範囲では、①週の所定労働時間20時間以上、②月額賃金8.8万円以上(年収換算約106万円)、③雇用見込み2ヶ月超、④学生でない、⑤従業員51人以上の企業に勤めている、という5つの要件をすべて満たした場合に加入義務が生じる仕組みらしいです。逆に言うと、どれか1つでも外れていれば対象外になるようです。2026年10月には、このうち②の賃金要件だけが撤廃される予定と報じられていました。撤廃後は、賃金額に関わらず①の「週20時間以上」が主な判断基準になる、とのことです(③④⑤の要件はそのまま残るようです)。なお⑤の企業規模要件についても、2027年10月以降段階的に縮小されていく計画があるようです。

「結局、いくらまでなら大丈夫?」を自分なりに整理してみた

ここが一番知りたいところだと思います。調べてみて感じたのは、この質問への答えは、その人が何を優先したいかによって変わるらしい、ということです。

「税金を一切取られたくない」という人

→ 住民税のラインである年収100万円前後が目安になりそうです。ただしこれを目安にする人は、感覚的にはかなり少数派だと思います。

「所得税だけは避けたい、配偶者控除も維持したい」という人

→ 2026年分からは136万円が目安になるようです(2025年までの103万円のイメージのまま止まっている方が多い印象があるので、ここは特に注意が必要かもしれません)。

「社会保険には入りたくない」という人

→ 2026年9月までは、前述の5要件のどれか1つでも外れていれば加入義務はないようです。10月以降は月8.8万円の要件がなくなるので、週20時間未満で働くことが、対象外でいるための目安になりそうです(ただし51人以上の企業に勤めていて、学生でもない、という前提の話です)。

大事なのは、この3つは別々の基準らしいということです。「103万円を超えなければ大丈夫」という昔の感覚のまま社会保険の話をしてしまうと、噛み合わなくなりそうだと感じました。

派遣で働く人は、少しややこしいらしい

派遣の場合、勤務先(派遣先)と雇用主(派遣会社)が別なので、社会保険の加入判定は派遣会社との契約内容で見られるようです。派遣先の施設で週20時間以上働いていても、派遣会社との契約上の所定労働時間が週20時間未満であれば、加入義務が生じない場合もある、という説明を見かけました。逆に、複数の派遣先を掛け持ちしている場合は、合算のルールが絡んでくることもあるようなので、気になる方は派遣会社の担当者に直接確認するのが確実だと思います。

管理者として、どう説明しているか

正直、この話を一発で完璧に説明できる自信は、調べた今も持てていません。なので最近は、こう聞くようにしています。

「税金を減らしたいのか、社会保険に入りたくないのか、どっちが気になりますか?」

これを最初に聞くだけで、伝える情報が絞れて、お互い混乱しにくくなる気がしています。パートさんが本当に知りたいのは「壁の名前」ではなく、「自分は今のシフトを続けていいのか、減らすべきか」という実用的な判断材料だと思うので、そこに答えを合わせるようにしています。

まとめ:壁は1つじゃない、優先順位を確認するのが先らしい

  • 「年収の壁」は税金の壁と社会保険の壁、別々の制度がまとめて語られているようです
  • 税金の壁(所得税・配偶者控除)は2025〜2026年にかけて大きく引き上げられている最中のようです(103万→136万・178万へ)
  • 社会保険の壁は130万円(2026年4月から労働契約書ベースの判定)と106万円(2026年10月撤廃予定、以後は週20時間基準)の2種類があるようです
  • 派遣の場合は、派遣会社との契約内容がベースになるようです
  • 「何を優先したいか」を先に聞くと、説明がスムーズになりそうです

制度がこれだけ動いていると、現場も混乱して当然だと思います。この記事は、あくまで私が調べた範囲のメモです。今後さらに制度が変わる可能性も十分あるので、実際の判断は必ず最新の公式情報や専門家にご確認ください。


執筆:てるよし@ケアマネしてない社労士受験中

介護歴20年/複数事業所を統括する管理職&副業ブロガー。

「働き方は変えられる」をテーマに、介護の現場とこれからを語ります。


調べていて、こんな疑問も浮かびました

106万円の壁が撤廃されたら、扶養内で働くこと自体ができなくなるの?

調べた範囲では、そうではなさそうです。撤廃されるのは「月8.8万円以上」という賃金要件だけのようです。週20時間未満の勤務であれば、他の要件に関わらず、引き続き社会保険の加入義務は生じないという説明を見かけました。「106万円という金額の壁」がなくなり、「週20時間という労働時間の壁」に基準が変わる、というイメージのようです。

社会保険に加入すると、手取りは減るの?

保険料負担が発生するため、額面上の手取りは一時的に減ることが多いようです。ただし将来の年金額が増える、傷病手当金や出産手当金の対象になるなど、加入することで得られる保障もあるようなので、目先の手取りだけでなく、長期的な面も含めて考えた方がいいのかもしれません。

この記事の数字、来年も同じ?

正直、断言はできません。ここ数年、税制・社会保険とも毎年のように基準が見直されている印象があります。この記事は執筆時点(2026年8月)で調べた内容であり、最新の金額や制度については、必ず国税庁・厚生労働省の公式情報や、社労士・税理士等の専門家にご確認ください。


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