──現場責任者が語る、介護職のおすすめ資格とリアルな学び
「どの資格を取るべきか?」その前に伝えたいこと。
介護職として働いていると、
「おすすめの資格って何ですか?」
「どれを優先して取ればいいんですか?」
という相談を、よく受けます。
聞いてくるのは、たいてい3年目くらいから中堅に差しかかる職員たち。
経験も少し積んできて、でもこのままでいいのかな…と迷いはじめる頃。
私自身も、そういう時期がありました。
そして今、現場責任者としてチームを支える立場になったからこそ、伝えられることがあります。
それは──
**「資格は、あなたを成長させる。その過程にこそ、価値がある」**ということです。
営業職から介護へ。私の資格ヒストリー
私はもともと、介護とは無縁の業界にいました。
新卒で入ったのは営業の仕事。けれど、人と関わる中で「もっと深く、その人の人生に関わる仕事がしたい」と思うようになっていきました。
そんなとき出会ったのが、社会福祉士という資格です。
専門学校に通いながら資格を取得し、その後、ヘルパー2級(今でいう初任者研修)を取って、介護現場へ飛び込みました。
現場に入ってからも、
「住環境福祉コーディネーター」「介護福祉士」「ケアマネ」「認知症ケア専門士」など、
学びを止めることなく続けてきました。
常にモットーはひとつ──
**「取れるときに、取っておこう」**です。
「この資格は強いな」と感じたもの
介護業界にいると、資格って本当にいろいろありますよね。
その中でも、現場目線で「これは強いな」と思った資格を紹介します。
まず外せないのは、介護福祉士。
加算要件にも関わるため、事業所としても歓迎されます。
もちろん、持っていれば即ハイレベルというわけではありませんが、基礎知識と技術を備えている証として、大きな信頼につながります。
次に、ケアマネジャー(介護支援専門員)。
業務独占資格なので、これがないとケアマネ業務はできません。
一時期に比べて人気は下火になりましたが、だからこそ狙い目です。
視点が広がり、地域や制度とのつながりも深まります。
そして、社会福祉士。
実は介護現場で直接「これがないとできない」ということは少ないのですが、
この資格を持っている人って、視野が広いし、制度に強い。
相談援助職や、成年後見制度との親和性も高く、ステップアップにおすすめです。
「役に立たない」と思っていた資格に救われた話
正直に言うと、私も「社会福祉士って、現場ではあまり役に立たないな」と思っていた時期がありました。
でも、ある転職のとき、実務未経験だったにも関わらず相談員として採用されたんです。
理由は「社会福祉士の資格があるから」でした。
それから、管理職に抜擢されたときも、
「向上心がある人」と評価していただいたのは、資格をコツコツ積み重ねてきた姿勢が伝わったからだと思っています。
資格そのものだけで仕事ができるわけじゃないけれど、
「次のチャンス」がやってくる扉を開いてくれる。
そんな存在なんですよね。
忙しいときほど、チャンスでもある
「今年は忙しいから、来年受けようと思います」
よく聞く言葉です。でも、私はこう思います。
忙しいときこそ、時間を使う工夫ができる。
私はケアマネ試験を受けた年、ちょうど異動で初めて管理者になったタイミングでした。
めちゃくちゃ大変でしたが、それでも1日1時間と決めて、出勤前や帰宅後の時間に勉強を続けました。
やる気があるときより、
むしろ「やらなきゃ…でも時間がない!」というときのほうが、意外と集中できるものです。
テキスト代より、大切なこと
勉強方法はシンプルです。
私は、過去問と一問一答を何度も繰り返しました。
高価な教材をそろえて満足してしまうより、
一冊をとことんやり込む方が、よほど力になります。
費用でいうと、テキスト・問題集合わせて5,000円くらい。
ケアマネも介護福祉士も、それで充分でした。
社会福祉士だけは専門学校に通ったので、100万円ほどかかりましたが…(苦笑)
でもあのとき、母が言ってくれたんです。
「福祉の仕事、あんたに合うと思うよ」って。
その一言が、ずっと支えになっています。
タイプ別・おすすめ資格の選び方
資格って、「何がいい?」と聞かれることも多いけれど、
結局は**「どんな働き方をしたいか」**によるんですよね。
- 利用者さんと深く関わっていきたい人 → 介護福祉士
- もっと支援の方法をコーディネートしたい人 → ケアマネ
- 制度や福祉の広がりに興味がある人 → 社会福祉士
私は社会福祉士の勉強を通じて社会保障制度に興味を持ち、
気づけば社労士の試験に挑戦し続けています。(合格は…まだですが!笑)
よくある相談に、てるよし式で答えてみます
Q. ケアマネってぶっちゃけしんどいですか?
→ はい、しんどいです(笑)でも本気で向き合ったときの充実感はものすごいですよ。
Q. 国家資格はどれから取るのがおすすめ?
→ 興味がわいたものからでOK。無理して順番を決めなくていいんです。
Q. 社会福祉士って現場で意味あるんですか?
→ あります。現場経験と組み合わせてこそ、本当の強みになると思います。
Q. 40代からでも間に合いますか?
→ もちろん間に合います。むしろ、他業種の経験が福祉では武器になります。
Q. 複数の資格、どこまで取るべき?
→ 介護福祉士・ケアマネ・社会福祉士。この3本柱があれば、かなり広く動けます。
Q. 家族の理解が得られないときは?
→ 家族との時間を最優先に。犠牲にする必要はありません。
計画的に進めれば、両立は可能です。
Q. 通信と通学、どちらがいい?
→ 自分に合っている方で大丈夫。
ただ、社会福祉士のようにスクーリングが必要なものもあるので、事前に確認しましょう。
そして今、資格の「その先」にいる私から
社会福祉士を取った20代。
介護福祉士を取って、実務が楽しくなってきた30代。
ケアマネを経て、チームを支える責任を背負うようになった40代。
それぞれの資格が、
「そのときの私」に必要な視点やスキルをくれました。
そして、振り返ってみるとすべてがつながっていたように感じます。
資格があることで、見える景色は確実に変わります。
でもそれ以上に、資格を目指す過程で、自分自身が変わっていくんですよね。
最後に、あなたへ。
もし今、
「何を取ればいいんだろう」
「自分には無理かもしれない」と思っていたとしても、大丈夫です。
はじめの一歩は、小さくていい。
やってみたいと思ったその気持ちを、どうか信じてあげてください。
あなたの努力は、
必ずあなたの未来に返ってきます。
そして、その努力の過程こそが、一番の価値になるのです。
さあ、今日から一緒に、はじめてみませんか?
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🌿 てるよし式メッセージ
職場の人間関係で悩むのは、誰かを思いやっている証拠です。
どうか、自分を責めずに。
あなたの働き方には、いくつもの選択肢があります。
