勤務間インターバル制度とは
前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息を確保する仕組みのことのようです。2019年4月に「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が改正され、この制度の導入が事業主の努力義務になっています。
調べていて意外だったのは、これが現時点ではまだ「努力義務」だということです。罰則はなく、導入するかどうかは会社の判断に委ねられています。ただし、努力義務だからといって完全に無関係というわけではなく、休息時間を極端に短く設定して労働者に損害が生じた場合、損害賠償請求のリスクがあるという指摘もあるようです。
目安は「11時間」
法律上、具体的な時間数の定めはないようですが、厚生労働省の助成金制度や人事院の通知などでは「11時間」が目安として示されているとのこと。EU(欧州連合)の労働時間指令でも、1日につき最低11時間の休息時間が義務付けられているそうで、国際的にもこの水準が一つの基準になっているようです。
先ほどの「遅出20時→早出7時」の例で計算すると、終業から始業まで11時間しかありません。通勤時間を差し引くと、実際に休める時間はもっと短くなります。11時間という目安に照らすと、ギリギリか、業務内容によっては届いていない可能性もありそうです。
「そのうち義務化される」という話は本当か
これも調べていて気になったところです。2025年1月、厚生労働省の労働基準関係法制研究会という場で、11時間の勤務間インターバル制度を義務化する方向の報告書が公表されたようです。ただし、2025年12月時点で、この改正法案の通常国会への提出は見送られたとのこと。義務化そのものが白紙になったわけではなく、政策調整の影響のようですが、少なくとも「もうすぐ完全義務化」という段階ではなさそうです。
とはいえ、令和6年の厚労省調査では導入済み企業が5.7%まで増えているというデータもあり、努力義務のうちから準備を進める企業が増えている、という流れ自体は感じられます(推測:中)。
介護現場のシフトで考えると
夜勤・遅出・早出が複雑に組み合わさる介護現場は、この勤務間インターバルの考え方と特に相性が悪い業態の一つだと思います。人手が足りない中でシフトを組んでいると、どうしても「前日遅くまで、次の日早くから」というパターンが発生しやすいはずです。
まだ努力義務の段階とはいえ、職員の健康確保や離職防止の観点からは、シフトを組む際に意識しておいて損はない考え方だと感じました。
調べていて浮かんだ疑問
Q. 11時間の休息が取れなかった場合、代わりの措置はあるの?
義務化の議論の中では、休息が確保できなかった場合の代替措置(別の日に休息を上乗せするなど)も検討されているようです。現時点では努力義務のため法的な代替措置の定めはありませんが、今後の法改正で具体化される可能性がありそうです。
Q. 始業時刻を後ろにずらすしかないの?
休息時間の確保方法として、始業時刻を繰り下げる以外にも、そもそも前日の終業時刻を早める(残業を減らす)というアプローチもあるようです。シフト全体の見直しとセットで考える必要がありそうだと感じました。
今回書いた内容は、あくまで調べてみて自分なりに理解した範囲のメモです。義務化の動向は流動的なので、最新の情報は厚生労働省の発表や顧問の社会保険労務士に確認することをおすすめします。
